大阪市の梅毒発生状況について。
大阪も梅雨入りが近づいているようです。
蒸し暑く、体調も壊しやすい季節です。
十分にご注意ください。
先日、大阪市感染症対策課の方達と梅毒の激増についての意見交換を行いました。
他の自治体以上に大阪市は急増しているため、その対策への専門医としての意見を述べました。
その際に平成29年度1~4月の大阪市の梅毒発生状況についての報告がありましたのでご報告します。
大阪市 平成29年1~4月の梅毒患者数
①男性85例、女性72例 計157例(同時期比較:平成26年56例、平成27年62例、平成28年118例と年々増加)
②男女比が約1対1(平成26年10対1、平成27年3対1、平成28年2対1と女性が急増)
③年代別 男性10~30歳代50.6%、40歳代も28.2%、50歳以上も2割存在
女性10~30歳代90.2%、特に20歳代が69.4%、ほとんどが若年層
④男性の感染経路 62.4%が女性からの感染、すなわち異性間性的接触が急増(平成27年33.3%、平成26年以前は20%以下)
近年は女性、特に若年層が急増しています。
以前は主に男性、それも同性愛者の病気でしたが、現在は女性から感染してくる男性が増加しています。
すなわち、風俗で感染してくる患者さんが増加している事になります。
当院では今年度10例の男性梅毒患者を報告していますが、9例が風俗での感染です。
本番行為以外のオーラルセックスや素股行為でも感染しています。
近年はある特定地域の風俗で感染してくる患者さんが多いです。
梅毒は多彩な症状を呈し、長期間無症状で経過することもあります。
放置すれば脳・脊髄障害や心血管系の異常を引き起こすこともあります。
現在でもペニシリンを主に抗生物質で治療可能です。
血液検査で容易に診断できます。
ただし、感染から1ヵ月間は血液検査でも診断することはできません。
その期間も含め無症状期間、すなわち潜伏期間でも人に感染します。
性病は自分一人の問題ではありません。
パートナーをも傷つける非常に重要な病気です。
大阪市鶴橋駅前の石川泌尿器科では日本泌尿器科学会専門医、日本性感染症学会認定医が診察を担当します。
性病も他の病気と同様に診察には豊富な経験と新しい知識が必要です。
一人で悩まれずに、是非受診ください。