梅毒患者が6000人を超えました。
いよいよ今年も残り一ヶ月となりました。
皆さん、忙しい時期になりますので、体調管理には十分にご注意ください。
ブログで度々書かせていただいていますが、梅毒の患者数が増え続けています。
国立感染症研究所は11月28日、今年の患者数が計6096人となったと発表しました。
現行集計上では、昨年の5820人を抜いて過去最多です。
当院においても、昨年は30人でしたが、今年は11月30日現在50人と開院以来最多です。
大都市部を中心に急増しているのですが、中でも大阪府は100万人あたりの患者数が31.1人で、東京(同31.7人)と並び他の自治体を引き離しています。
患者は地方都市にも広まりつつあり、広島県では3年前の20倍近くに増加し、岡山県は今年上半期の人口100万人あたりの患者数が全国ワースト3位でした。
11月2日号のフライデーに掲載され、ヤフーニュースでも配信されました梅毒に関する私のインタビュー記事にもありますが、梅毒感染率の高い国からの訪日外国人客(インバウンド)の増加が一因と考えられます。
すなわち、インバウンドの増加で性風俗店を訪れる外国人も増えています。
そこで、日本の風俗嬢に梅毒をうつし、それが日本人客にうつっているという事です。
男性が20~40代を中心に幅広い年代で報告があります。
一方で、女性は20代の報告数が極端に多く、風俗嬢が多数含まれていると思われます。
若い女性患者の増加で危惧されているのが「先天梅毒」です。
妊婦が感染すると、流産や死産のリスクを伴うばかりではなく、生まれてきた子供に障害を引き起こす恐れもあります。
先天梅毒の子供は25年に4人でしたが、28年は14人に増加しています。
梅毒は感染部位にしこりができたり、発疹が起きても痛みやかゆみを伴わないことが多く、しばらくすると自然に消失することもあり、感染にきづかない場合があります。
感染予防にはコンドームを使用し、感染部位と粘膜や皮膚が接触しないようにすることが重要ですが、それでも完全に防げるわけではありません。
当院ではオーラルセックスだけで感染してきた患者さんが約半数です。
梅毒の診断は血液検査で容易に行えます。
採取量もわずか5ccほどで可能です。
しかし、感染初期(約1ヶ月)は陽性反応がでない場合もあるので、注意が必要です。
治療は今でもペニシリンなど抗生物質が有効で、早期の治療で完治可能です。
梅毒も含め、性病は自分一人の問題ではありません。
パートナーをも傷つける非常に重要な病気です。
性病も他の病気と同様に診察には豊富な経験と新しい知識が必要です。
大阪市鶴橋駅前の石川泌尿器科では日本泌尿器科学会専門医、日本性感染症学会認定医が診察を担当します。
心配な方は検査を受けるようにしてください。
一人で悩まれずに、是非受診ください。