大阪市も梅毒対策に取り組み始めます。
花粉症の季節になってきました。
アレルギー対策は早めに開始しましょう。
2月20日の日本経済新聞に「感染症、抑えきれぬ日本」という記事が掲載されました。
結核の新規感染は世界保健機構が目標とする基準を今も上回りG7諸国では最悪。
HIVは世界的に新規感染が減少する中で、高止まりが続き2016年も前年に比べて増加しています。
梅毒はここ5年で5倍に増加し、特に20代女性では13倍以上に急増しています。
梅毒急増については以前からブログに書いていますが、2016年は4518人と42年振りに4000人を超えました。
2015年が2697人なので、その急増ぶりがわかります。
都道府県別では大阪府は東京都(1661人)についで583人と2番目に多くなっています。
当然ですが、大阪府ではそのほとんどが大阪市の医療機関からの報告です。
そのため大阪市も感染症対策課が中心となり、梅毒急増の原因究明など対策に取り組み始めます。
そこで梅毒患者さんの多い医療機関を訪問し、専門医との意見交換を行っています。
当院にも先日来院され、いろいろと意見交換をしました。
感染場所の特定など感染機会を減らす取り組み、性教育の充実などの必要性についてお話しました。
梅毒症例を診断した医療機関は所在地の保健所に全例届け出ることが法律で義務付けられています。
しかし、届けている医療機関は少なく、実際の患者数は3~10倍という報告もあります。
当院も昨年は29例の梅毒症例を届けています。
大阪府全体で583人ですから、1医療機関で約5%を占めるという事はありえません。
梅毒は泌尿器科だけではなく、皮膚科、婦人科など全ての診療科で診断されます。
人間ドック、手術前の検査などで偶然に見つかる方もいます。
現実には1年間に数万人の梅毒の新規感染者が診断されていると考えます。
梅毒の症状は多岐にわたります。
無症状のこともあります。
HIV感染の場合は約10年の潜伏期間を経てエイズを発症します。
日本では「いきなりエイズ」といって、エイズを発症して初めてHIV感染がわかる人が多い特徴があります。
もちろん、無症状(潜伏)期間でも相手には感染します。
性病は自分一人の問題ではありません。
パートナーをも傷つける非常に重要な病気です。
大阪市鶴橋駅前の石川泌尿器科では日本性感染症学会認定医が診察を担当します。
性病も他の病気と同様に診察には豊富な経験と新しい知識が必要です。
一人で悩まれずに、是非受診ください。